シャトー・オーゾンヌ|サン・テミリオンの最高峰と称されるも、年間生産量2万本強の希少品
サン・テミリオンの最高峰と讃えられる小規模シャトーで、年間生産量はわずか2万本強と、名声とは裏腹な希少品です。メドック地区の格付けの1世紀後、1955年にサン・テミリオン地区のシャトー格付けは行なわれました。シャトー・オーゾンヌは特別級よりワンランク上の第1級特別級、しかも特に優良銘柄のため、別格の「A級」に位置付けられました。
続きをみる葡萄の選果、収量の制限、小樽でのマロラクティック発酵など規律に従って行われる醸造は、天候の出来不出来に影響されることなく、常に高い品質のワインを造り出します。シックなシャトーと畑が丘陵の絶好の斜面にあります。4世紀に近隣の荘園を所有していたローマの詩聖アウソニウスが「小さな、かわいい荘園」とその詩に謳い、別荘があったとされる場所に建つシャトー。城館は街並みを抜け出た台地の南縁に位置し、その周囲にある南向きの斜面に7haの畑を所有しています。畑はコート地区で最良の高台に位置し、石灰・粘土質の土壌はメルロ種の栽培に適している。葡萄の樹齢は高く、古いものでは1年に達するものもあります。古い樽は使わず、すべて樫の新樽でメルロ種とカベルネ・フラン種を半々に混醸する。熟した果実やミネラルが豊富で、芳醇でコクがありかつ優雅・繊細でエレガントなワインは、トリュフを思わせる重厚な香りもすばらしく、引き締まった味わいが特徴である。肉付きが良くて、素性のよさを覗わせつつも現代的に仕上げっています。
豆知識
中世の頃、一帯はすでにブドウが栽培されており、16世紀に現名称が使われ始めます。18世紀から現所有者のヴォーティエ家の先祖が小区画を買い集め、19世紀に現在に近いかたちになって以降に評価が高まります。相続による所有権の分割がなされた1970年代以降は低迷期に陥りますが、95年に現当主アラシ・ヴォーティエにより再統合されてから品質を回復して復活を遂げます。...