ウイスキー|穀物を原料に、樽で熟成した生命の水
ウイスキーは、世界中のいろいろな国で造られているが、「穀物を原料とした蒸留酒で、樽で熟成させたもの」という共通した認識がある。【穀物原料】【蒸留酒】【熟成】という3つの要件を満たしてはじめて、ウイスキーと呼ぶことができる。
ウイスキーの歴史
ウイスキーの蒸留がいつ頃始まったのか、はっきりしていないが、中世に錬金術の恩恵を受けて、アイルランドで生まれたとされるのが定説となっている。錬金術は4世紀ごろエジプトで盛んになり、地中海沿岸を通じて中世初期にスペインに伝わった。この錬金術の過程で、錬金術用のるつぼに何らかの発酵液が入り、アルコール度数の高い強烈な液体が偶然生まれ、それが、蒸留酒というものを経験した始まりだと考えられている。錬金術師たちはその酒をラテン語で『Aqua Vitae(生命の水)』と呼び、不老長寿の秘薬として珍重したという。
この『生命の水』の製法が、スペインを通じてヨーロッパ諸国、さらに海を渡りアイルランドに伝わり、ぶどうの取れない北の大地ではビールを蒸留して、火のように強い酒を造った。これがウイスキーの起源であり、アイルランドの人々は『生命の水』をケール語に直訳してUisge beatha(ウシュク・ベーハ:ウシュクは水、ベーハは命)と呼んだ。...