力強く男性的、晩熟な五大シャトー・ワインのひとつ|ラトゥール
ラトゥールという名の通り、「塔」をシンボルとした世界に名高い第一級シャトー。他と同様、1855年のパリ万国博覧会においてフランスのボルドー・メドック地区の格付けで“第一級”の称号を与えられた五大シャトーのひとつです。ちなみに、シンボルでもありラベルにも描かれている「塔」は、15世紀に土地を所有していたイギリス人が海賊の攻撃から身を守るために築いたものといわれています。
続きをみるこのシャトーが評価されている理由のひとつに、ヴィンテージによって左右されることがほとんどなく、“不作知らず”と呼ばれるほど安定したワインを造り出していることがあげられます。その理由のひとつが、地形の恩恵によるもの。ジロンド川の輻射熱はブドウの成熟を早めたり、冬の畑を暖かくしたりしてくれるため、霜の被害や収穫時の秋雨被害を被るリスクを減らすことができるのです。そしてもうひとつの理由が、シャトーの近代化と努力。ラトゥールは、外国資本によって経営されていた1963年からの30年間に、いち早くステンレスタンクを導入するなど設備を一新。さらに100%の新樽熟成、樹齢10年以上の木からのみブドウを収穫するなど厳しい規律を作り、それを現在まで変わることなく守り続けています。なお、1993年にシャトーが売却された際、現オーナーの提示した買収金額は何と1億2,600万ドル。それだけの価値を認められているワインだといえます。
ラトゥールのワインは、五大シャトーの中でも力強く男性的、晩熟で長命と言われています。「50年以上の熟成にも耐えられる」と言われる晩熟なワインだけに、色も濃くタンニンも豊富ですが、じっくり20~30年と寝かせるとタンニンの殻が取れ、力強さと豊かなコク、円熟した深みが見事に現れ、世界に名高いラトゥールらしい極上の味わいを見せてくれるようになります。『シャトー・ラトゥール』は、著名なワイン評論家ロバート・パーカーに「世界でもっとも凝縮感のある豊かでタニックなフルボディワインのひとつ」と評されるワイン。ヴィンテージを問わずに表現される濃い色調、濃厚なタンニン、スギやヒノキといった特徴的なアロマがラトゥールらしさを印象づけています。...