畑をもたない純然たるネゴシアン「ラーセン」
ラーセン社の創業者は、イェンス・レインダール・ラーセンで、北欧ノルウェーの出身。若いころから、海外に雄飛びして名を揚げることを夢見ていた。彼が学校教育を終えた時は、ちょうど第1次大戦のさなかで、兵役義務が待っていた。それを務めあげたのち、1919年に、念願の海外渡航のチャンスをつかむことに成功した。ノルウェー商船の見習い船員に採用されたのである。
続きをみる24歳になっていたイェンス・レインダール・ラーセンは、希望に燃えてオスロを出港した。そして、船がフランスのボルドー港に着いた時、船員の職を辞して、コニャックに向かった。そしてプルニエ社に採用になり、そこで彼と酒の結びつきが始まった。
このプルエニ社で、ラーセンは日夜ブランデーづくりの仕事にはげんだ。そして、ブレンドのノウハウを充分に身につけ、1921年、念願の独立を果たした。...