アルマン・ルソー|綺羅星のごときグラン・クリュを所有するトップ・ドメーヌ
ジュヴレ・シャンベルタンにおいて、最も尊敬されるドメーヌがアルマン・ルソーです。18世紀初頭、心無いネゴシアンによる不正ブレンドが横行していました。アルマン・ルソー氏がダンジェルヴィル、グージュ、グリヴォらと組織を結成して、商慣習上タブー視されていた元詰めを1915年に実現しました。ネゴシアンに樽で売るのをやめて、ブルゴーニュワインの品質向上に大きな貢献をしました。
続きをみる所有地(14ha)の半分以上の8haがグラン・クリュが占めます。ジュヴレに9つあるグラン・クリュのうち6つを所有し、中でもシャンベルタン、同クロ・ド・ベーズでは最高峰と讃えられます。さらにプルミエ・クリュの筆頭、クロ・サン・ジャックを所有し、最高級の特級と比肩する評価を得ています。このドメーヌのモットーとして各クリマの平均樹齢を4年以上に保つことがあり、そのため定期的な植え替えを行っています。各クリマが一定以上の面積を有することで可能になります。ワイン造りとは「こちらがアペラシオンの特徴を表現するものではなく、土壌の方から語りかけてくるものである」と言えるのはドメーヌ・アルマン・ルソーだからです。この言葉を体現するかのように、土壌本来の力に任せるため2年前から肥料を使用していません。農薬も昔から伝わるボルドー液や硫黄などを選んでいます。毎年行う摘芽と摘房によって低収量に抑えられます。エリック・ルソーはブドウの過熟を嫌い、ジュヴレ・シャンベルタンでもかなり早い時期に収穫を始めることで知られます。ブドウがよく熟し,香りと味が最もよい時に収穫しています。これこそ、ルソーのワインに共通して感じられる優雅さの鍵であり、各クリマの微妙な違いがワインに反映される秘訣なのです。大柄で均整の取れた体躯をしており、豊潤でありながら壮健で、果実味や旨みが幾重にも重なった見事なワインです。
豆知識
20世紀の初めアルマン・ルソーが、ジュヴレ・シャンベルタンに一族の所有する小さな畑を寄せ集めてドメーヌを設立しました。婚姻によって畑を拡張した後、シャルム・シャンベルタン、クロ・ド・ラ・ロッシュ、シャンベルタンなどのグラン・クリュを買い取り、ドメーヌの礎を築いきました。2代目のシャルル氏は、1959年当時には6haだった所有畑を14haにまで拡大し、アルマンの孫にあたる三代目のエリックが畑とセラーを取り仕切っています。...