アンリ・ジャイエ|ブルゴーニュの神様の作ったワイン

アンリ・ジャイエ|Henri Jayer

現在のブルゴーニュワインの生みの親アンリ・ジャイエは、「ワイン造りの神様」と讃えられた伝説的人物で、2006年に逝去しました。
「大量生産ワイン」よりも「ブルゴーニュらしい高品質ワイン」をめざしたアンリ・ジャイエは、「ブルゴーニュの良さを引き出す」ために、ぶどう畑での仕事を何よりも大切にし、新しい醸造法も考え出しました。

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徹底して収穫量を制限し、収穫したぶどうは選果台を使って一房一房選び、低温浸漬を行うことでキレイなぶどうのエキスを抽出、発酵には自然酵母を使用します。
8年代に突如、注目を集めたのは、化学農法が普及して原料品質が低下する中で、彼は昔ながらの減農薬栽培を守り、品質低下を免れることができたからです。
アンリ・ジャイエは、1922年にヴォーヌ・ロマネ村に生まれ、子供の頃から畑に出てブドウ栽培に励んだそうです。そして1945年にメオ・カミュゼからブドウ畑を借りてワイン造りを開始しました。
その後、特級畑であるリシュブールのすぐ上の斜面にあるクロ・パラントゥの畑を購入しました。ここから、伝説の1級ワイン『ヴォーヌ・ロマネ・クロ・パラントゥ』が生まれました。
このワインは、いわゆる飲み頃を過ぎた年代のものでも、その淡い色合いを翻すように、若々しさを感じます。やさしいチェリーやなめした皮の風味が広がります。
1988年にはメオ・カミュゼとの畑のレンタル契約が終了した時は、「もうリシュブールを造れなくなった。」という言葉が彼の気持ちを表しています。惜しまれながら1995年ヴィンテージを最後にワイン造りの第一線から退きます。2001年に正式に引退、、甥のエマニエル・ルジェに畑を譲り、後継者としています。
また、後進育成にも積極的で、ジャン・ニコラ・メオ(メオ・カミュゼ)やフィリップ・シャルロバンなど数多く若手醸造家を育てました。

豆知識

現在のブルゴーニュワインは、アンリ・ジャイエという1人の天才が造りだしました。
彼の功績をたたえる呼称のいろいろ。
「ワイン造りの神様」、「伝説の醸造家」、「ブルゴーニュの神様」、「神の手を持つ男」など。

原産地
フランス・ブルゴーニュ・コート・ド・ニュイ
格付け
1級