頑なに守られ続けている、ライ麦香る奥深い逸品|オールド・テーラー

オールド・テーラー|OLD TAYLOR

禁酒法時代にも薬用酒として製造を認められていた希少なバーボン『オールド・テーラー』。製造者はもともと銀行員で、南北戦争の勇士でもあったエドモンド・H・テーラー。同氏はウイスキービジネスに興味を抱き蒸留技術を習得、1887年に自分の蒸留所を建設しました。

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当時、混ぜ物が多く品質の良くないウイスキーが多く出回っていましたが、同氏はそれに憤慨し、品質の良いバーボンを造るための法律の制定を政府に対して提案。それを受けて、1897年、政府が“ボトルド・イン・ボンド法”を制定しました。それに貢献したエドモンド・H・テーラーは、のちに“ボトルド・ボンド法の父”と呼ばれるようになり、広くその名が知られるようになりました。

『オールド・テーラー』は、この偉大な彼の名前が由来と言われています。その後1933年にはアメリカ禁酒法が撤廃され、1936年にはナショナル・ディスティラリーズ社に買収され、1987年にはジム・ビーム社が買収し、現在販売されている『オールド・テーラー』は、ジム・ビーム蒸留所で造られています。

蒸留所の変遷はあったものの、昔からライ麦を多めに使用してスパイシー風味を出す『オールド・テーラー』のレシピは、今でも変わらずに守られています。本国アメリカでは、黄色のボトルラベルが印象的なことから、“メロー・イエロー”の愛称で絶大な支持を集め、日本へは戦後間もなく輸入されるようになりました。バニラと優しいスパイスのアロマのような口当たりがまろやかで、紅茶のようなフレーバーが特徴的。最後に残るコーンを炒ったような香ばしい風味の余韻も楽しめます。